閑話主題

寝る前のチョイ読書など

読書の喜びと葛藤 ブックオフに行ったら切なくなってしまった話

 今日は家族と伊奈町ブックオフに行った。うちからは片道で30分以上かかるので滅多に行かない。ここは数年ぶりだろう。近所のブックオフなら目当てのものがなければサッと出てしまうが、ちょっと遠出するとなにかもったいなくてじっくりと見てしまう。

 外観は小型店舗なのだけど、活字本売り場面積を多く取っているので、我ら本読みにとっては実は豊かな店だ。こういうことがあるから油断できない。

 家族は買うものを見つけたが、私はなかった。どうも最近は集中して本を読むことができない。数年まえに癌が見つかってから、我が身の行方を考えるようになってしまった。

 昔はつまらない本を読んでも「つまらない事が確認できたから良かった」というスタンスだった。今はもうダメ。むしろ面白い本を読んでなお「それがどうした」と思えてしまう。あんなに情熱的に新刊情報を追いかけ、発売日に書店に駆け込み、当日に読み終えてブログに感想をアップロードしていた日々は何だったのだろう。

 たくさんの本の背表紙を見つめていたら切なくなってしまった。そうだ、昔は1000を超える未読本を抱え、オレはこんなたくさんの本を本当に読めるのか? とややうんざり。だけどそれは宝の山だった。

 うちの近くには4軒のブックオフがあった。土曜日は最寄りの店舗、そしてもう1軒。日曜日は残る2軒に行った。週平均で10冊ペースで購入していたろう。新刊メインで読んでいたから古本を手に取るのは後回し。なのに、ブックオフに入るたびにワクワクしていた。今日はどんな出会いがあるのだろう、と。

 いや、何も買うものがなくても良かった。膨れ上がった本棚を見つめ、今日は何も買わずに済んだとホッとするのだ。

 なんだったんだ、あの日々は。あの情熱は。私は数多の本から何を得たのだろう。もうわからない。言葉にならない切なさでいっぱいだ。

 家族は自分が読む本を買って、私は結局なにも買わず。

 近くのスーパーで買い物をして帰宅した。